ベビーマッサージに寄せて

ベビーマッサージに寄せて 2024年6月

今から25年位前に「ベビーマッサージ」というものを知りました。
NICUで「タッチケア」の大切さという事がクローズアップされたのが始まりではなかったかと思います。私も、それは何?という気持ちで、講習会に参加し、「チャイルドボディーワークセラピスト」などという資格をもらいました。
それから10年程、公民館で「ベビーマッサージ講師」をさせていただいた時期がありましたが、最近の断捨離でその時の資料のあとがきが出てきましたので、しばらくぶりで皆さんにご紹介します。毎年書き直してNo11まであります。赤ちゃんとのスキンシップについて、私なりに感じたことです。良かったら読んでみて下さい。
トリトンベビママルームでも、ベビーマッサージを始めようかと思っています。木曜日の10時から16時まで開放していますが、その中で行えたらと思っています。

≪助産師田村からのメッセージNo.1≫

私は、誰かにマッサージをしてあげる仕事がしたくて、看護職を選びました。
マッサージが大好きです。
赤ちゃんは成長して、いつか自分の足で歩いていくでしょう。マッサージより楽しく遊んでもらいたい様子も目立ってくるかもしれません。・・・・でも、いつかきっと、戻ってくる日がきます。お母さんの温かい手を覚えています。
我が家の息子たちは、19歳、17歳、14歳と、青春真っ只中で、母の事など、気にかけてもくれませんが、たま~に「マッサージして~」と寝転がります。
スポーツをしてるせいもあり、腰が痛い、足が疲れた、肩がこってる等々、一人前の事を言います。でも、マッサージしながら、いつもはできない会話ができて、少し嬉しい母です。大きくなってしまえば、親は何もしてあげられないけれど、疲れた身体と心を、ちょっとだけ癒してあげられたらいいですね。
みなさんにも、ぜひ、マッサージを細く長く続けてもらいたいと思います。

≪助産師田村からのメッセージNo.2≫

お子さんが3歳位の頃には、マッサージの後「どこが気持ち良かった?」と聞いてみると、「あし!」「おてて!」「おなか!」など、答えてくれるようになります。
その頃は、大きくなっているので、全身マッサージというよりパーツ毎になってくるでしょうが、それで十分です。ぜひ、遠足で疲れた時、足のマッサージをしてあげて下さい。お稽古事で疲れた時、手のマッサージをしてあげて下さい。お子さんへのマッサージは、心を開いてくれる一番の早道です。何も聞かなくても、やさしくなぜているうちに、自然に色々おしゃべりしてくれるでしょう。
お母さんの温かい手は、ベビーマッサージの頃から始まり、ずっと続いていってほしいと願っています。

≪助産師田村からのメッセージNo.3≫

私がベビーマッサージに出会ったのは、6年程前の事です。三男がまだ小学6年生でした。すぐカッとなって部屋の戸をバタン!と音をたてて閉めてる頃でした。
マッサージの練習に子供達をモデルにしてなぜてみたのですが、三男の背中がものすごく硬くて「こんなに硬い身体ならイライラもするだろうなー」と驚き納得したのでした。
子供は全てを語ってくれません。本当に言いたいことは言葉にしなかったりします。
「いやだ」と言うけれど、「いやだけれどやるよ」と思ってる事もあるのです。
私は、三男に教わったことがたくさんありました。
皆さんにとっては、まだまだ先の話、赤ちゃん達もまだ語ってくれませんね。でもその代わりに笑顔や表情が全てをおしえてくれます。お母さんの前では正直です。
ぜひ、わがままの言えるお母さんでいて下さい。ほっとするお母さんでいて下さい。
そしてマッサージの上手なお母さんでいて下さい。

≪助産師田村からのメッセージNo.4≫

私が幼い頃、実家は村の駅前の何でも売ってるお店でした。(今でいうコンビニ?)
母は家にいるけれど、いつも忙しくて遊んでもらった記憶がありません。人形を抱いて毎日駅長さんと並んでジーゼルカーを見送っていたものです。そんな私の記憶に残っている母との思い出は、お昼ご飯が終わってお客さんが途切れたほんの10分か15分の間、ソファーで居眠りする母に抱かれていた何ともいえないのどかな静かな時間です。言葉のいらない温かなぬくもり・・・
子供の心に残っていくのは、お母さんの温もりではないでしょうか。
便秘・冷え性・長い寝ぐずり・体が固い・表情が固い・良く泣く等の赤ちゃんにはマッサージがきっと良い影響を与えてくれるでしょう。特に心配のない赤ちゃんもお母さんとの楽しい時間を喜んでくれると思います。
お母さんは結構忙しいですよね。でも子供が望んでいるのは、長い時間ではないのです。ほんの5分でも10分でも、しっかり自分の方を見てくれる事、しっかり抱きしめてくれる事、いっしょに笑ってくれる事なのだと思うのです。

≪助産師田村からのメッセージNo.5≫

最近「ベビーサイン」の本を読みました。ちょうど6か月くらいの赤ちゃんから始めると良いそうですが、ずいぶん知恵がついてきて、お母さんの気をひくために、キーという大きな声をあげられるような時期です。赤ちゃんは皆、コミュニケーションを取りたがっている事を信じる事がベビーサインの基本みたいです。
1歳半健診の時に突然洋服を脱がされて大泣きしてるお子さんがいますが、そんな時、ベビーサインで伝えてあげられたら泣かずにすんだのかなと思ったりしました。
今からぜひ、やさしいマッサージと言葉の前のコミュニケーションを心がけてもらえたらと願っています。

≪助産師田村からのメッセージNo.6≫

我が家の長男は、アトピー性皮膚炎で、母乳が終わってからも、毎晩寝る前と夜中に何度か背中を掻く事が日課でした。強すぎず弱すぎず絶妙なかげんでマッサージのように掻いているうちに安心して眠ってくれるのでした。当時はベビーマッサージなどなかった時代でしたが、今思えば、あれは親子のふれあいの重要なもので、又、下に弟達が生まれた長男にとっては唯一の時間だったのかもしれません。私達親子にとっては、背中を掻きつつのマッサージが一番だったのですが、それぞれの赤ちゃんとママに一番のふれあい方があると思います。マッサージにノルマはありません。全身でなくても毎日でなくても、思いついた時にマッサージしようか~と誘ってみるといいと思います。
只、毎日毎日だった私の場合、これってプロ並みだな~と変な自信が出てきて、少しだけ育児にも自信が持てたのは確かです。私はマッサージが大好きです。
何か目的があるならぜひ始めてみて下さい。体調も良くお楽しみのマッサージなら、ぜひ歌など取り入れて楽しくやってみて下さい。きっと2人にとって、すてきな時間になると思います。

≪助産師田村からのメッセージNo.7≫

2人目の子育て中、ひとつ反省した事があります。母乳で育ててはいたのですが、上の子の事が気になるので、授乳しているのに次男の事を見ていない事もよくあったのです。ある時ふと思いついて「こうちゃん!」と呼びかけてみましたが、おっぱいは吸っているのに、私の方を向いてくれないのです。とてもショックでした。授乳の時くらい、ちゃんとその子を見てあげなくちゃと考えを改め、その後努力しました。じきにこっちを向いてくれるようになりホッとしましたが、赤ちゃんって思ったよりしっ
かり心が成長していくものだと思い知らされました。早く大きくなってほしいと思うけれど、今の一日一日はかけがえのない日々なのかもしれません。
ぜひ、忙しい毎日のひと休みタイムに、ベビーマッサージの時間を取り入れてみてはいかがでしょう。ほんの10分15分でいいから、全部忘れて、赤ちゃんと見つめ合ってみてほしいと思います。

≪助産師田村からのメッセージNo.8≫

私の初めての子育ては、母乳もギリギリだったし、アレルギーもあって、長男はよく泣いていました。毎日追われるような生活で、しみじみかわいいと思える時がなくて、1年くらい経ってしまった気がします。あの頃ベビーマッサージに出会っていたら、1日の10分か15分だけは、にっこりと長男に向き会えたのかもしれません。
すごく大変な1年間、でもすごく大切な1年間、なつかしい1年間。真っ只中にいる皆さんと赤ちゃんの笑顔が輝きますように!!

≪助産師田村からのメッセージNo.9≫

我が家の三男は、マッサージをする職業につきました。
時折、機嫌が良い時、あいさつ代わりに、肩をマッサージしてくれます。だんだん上手になってきました。この子は三番目だったため、十分歩けるようになるまでは、ずっと背中におぶっていた子でした。どこへ行くにも一心同体でした。当時肩がこるとも感じず、上の子達の幼稚園の行事にも、もれなく参加していました。自転車も4人乗りでした。
今、おぶっていたその肩をマッサージしてくれるなんてと、不思議な繋がりを感じます。ちっとも手はかけてあげられなかったけど、たくさんスキンシップをとれていた事には間違いないので、結果良かったなと今では思います。
赤ちゃんとのスキンシップ、ぜひ、たくさんしておいてくださいね。

≪助産師田村からのメッセージNo.10≫

人は気分が落ち込んでいる時は歌わない。気分がいいから歌うんだよと以前聞いた事があり、子供たちが歌いながら帰ってくるとホッとしたものでした。そして最近「ほんまでっか」というTV番組で、子供の頃、お母さんがいつも歌を唄っているような環境で育つと、その子供は、ひどく落ち込む子にはならないと言っていました。私も小さい頃、母はいつも鼻歌を唄って料理や洗濯をしていたのを思い出しました。母に感謝です。
皆さんもぜひ、子育てしながら歌ってみませんか!!

≪助産師田村からのメッセージNo.11≫

何とか寝かしつけたくて子守歌をくりかえし歌った長男の時、添い乳をするとこんなに簡単に寝てくれるのかと驚いた次男の時、泣き出すと「あ~これで座れる」と嬉しくなった三男の時、そして毎日一緒にお昼寝していた長女の時…
私の子育ての思い出は、子守歌と、オッパイと、キューっとくっついて感じた赤ん坊の臭いでしょうか。手ぬきだらけの毎日でしたが、なつかしく胸がキュンとします。
子育ては無理せず、自分らしく、それでいいと思います。